キリスト者の中には、自分が所属している宗教団体にこそ真理の言葉があり、そこを出たら他に行くところがないと考える人もいます。わたしが40年間所属していたキリスト教系の某宗教団体(以下、組織)もそのようなことを教えていました。でも、実際にどうなのでしょうか。
「主よ、私たちはだれのところに行けるでしょうか」
弟子の多くが主イエスから離れ去った時の、主と十二使徒の一人シモン・ペテロの間で交わされた会話が、ヨハネによる福音書に記されています。
それで、イエスは十二人に、「あなたがたも離れて行きたいのですか」と言われた。
─ヨハネによる福音書6:67, 68,新共同訳聖書
すると、シモン・ペテロが答えた。「主よ、私たちはだれのところに行けるでしょうか。あなたは、永遠のいのちの言葉を持っておられます。
わたしは以前、どういうわけか頭の中でこの聖句の「あなた」を「組織」に置き換えていました。つまり、組織こそ永遠のいのちの言葉を持っており、他に行けるところはないと。でも、聖句をよく見ると、シモン・ペテロは主イエスのことを言っているのです。イエスのほか行けるところはないと。
だから、ここを出たら他に行くところがないというのは思い違いであることに気づきました。だってイエスのところに行けばいいのだから。イエスこそ、永遠のいのちの言葉を持っておられるのです。
主イエスは十二使徒の一人トマスにこうもおっしゃっています。
わたしが道であり、真理であり、いのちなのです。わたしを通してでなければ、だれも父のみもとに行くことができません。
─ヨハネによる福音書14:6,新改訳聖書